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噛み締め・食いしばり・TCHと知覚過敏

目次

1.噛み締め(TCH)とは

2.患者様に配布する文章 日本語版

1. 噛み締め(TCH)とは

1. 噛み締め 食いしばりによって 知覚過敏、歯の破折、顎関節症がおこる

冷たいものや熱いものを食べるとき歯が沁みる、また噛み締めると変な感じがすることを主訴に来院される患者様がいらっしゃいます。歯茎が下がっていて、歯の根が露出していてその部分が沁みていれば、これは知覚過敏症です。歯の一部が磨り減ったようになくなっています。以前はこのような症状は歯ブラシのかけすぎ(特にスクラビング法などの横磨き)によって起こるとされていました。しかし近年知覚過敏の最も大きな原因は 歯を常に接触させている癖であることがわかってきました。これが進むと歯の亀裂や破折そして額関節痛が起こります。


デンタルハイジーン2007別冊 井出吉信ほか編著

噛み締め 食いしばりというと思いっきり歯を食いしばるように思いますが、軽く歯を接触させているだけで歯には相当力が加わっています。これをTCHといいます。TCH(Tooth Contact Habit =上下の歯を接触させている癖)これは最近多くの歯科大学で認められてきた考えで、多くの歯科雑誌に紹介されてます。

ストレス増し精神が緊張したとき、人は歯を上下の歯を接触させます。これは96%以上の人がやっていることで、ごく普通のことです。ただその時間が長かったり、歯を接触させる力が強いと色々な障害が出てきます。ストレスというとおおげさですが、例えばお料理をしているときには、熱いもので火傷しないように包丁で手を切らないように注意します。道を歩くときでも、人にぶつからないように緊張します。つまり日常生活はストレスに満ちているといえます。知覚過敏などはっきりした症状として現れるのは、引越しや仕事が変わったとか新しい上司にかわったとか、いまあるストレスにさらにストレスが加わったときです。

歯を接触させることによって、思考や運動の能力を上げることができます。つまりストレスに耐えるように、能力を上げるために食いしばりTCHを起こしていると考えられます。このことが逆に患者様に噛み締めをしないようにしていただくのに困難な要因になっています。
ところで歯科治療によって起こることもあり、1本の歯に金属冠を被せるために削合しただけで起こったケースもあります、歯科医師が注意すべきことと思います。

2. 診断

診断は歯茎部の欠損や知覚過敏と下記の症状があればTCHが強いと考えます。しかし、下記の症状が無くても強い場合もあります

1. 口腔内の頬に歯のならびに沿った白い線がある
2. 舌が下顎の歯の形に沿って波をうつように変形している
上下の歯を常に接触されていると口腔内が陰圧になり、頬の内部が吸い寄せられて歯に密着します、そして上下の噛み合わせた歯のラインにそって頬に線がはいります。また舌は下顎の歯列に押し付けられて、歯の形に沿って変形します

3. 患者様に体をまっすぐにしてもらい、目を閉じていただきます。そのとき上下の歯が接触しているかをどうかチェックします


デンタルハイジーン2012/02 熊谷真一ほか編著

3. 治療法

ほとんどのケースで患者様にTCHの自覚はありません。上記のようなはっきりした症状があるにもかかわらず「私は絶対にそんなことはやっていない」といわれることもあります。無意識でやっていることを止めるのは非常に困難なことです。

まず患者様に噛み締めを気付いていただきます。そしてそれを1日10分でも良いので止めるように努力してもらいます。気付くようになったら徐々にその時間を長くしてもらいます
寝ている間も自己暗示によってなおすように努力してもらいます。下記のような文章を配布してその内容をよく説明することが有効と思います。

マウスガードは最後の手段です。睡眠中にマウスガードをいれても歯ぎしりや食いしばりはなおりません。ただ歯の保護にはなります。以前、数割は治癒するというデーターがありましたが、数ヶ月で睡眠中の歯ぎしり食いしばりが再発することがわかりました。日中マウスガードをいれると、かえって安心して食いしばりがひどくなります、その意味でマウスガードは最後の手段と言えます。

2.患者様に配布する文章  日本語版

かみしめ・くいしばりによる筋肉痛を治すために

日常生活のなかで、上下の歯を噛みしめていないか自分で注意してみてください。歯の噛みしめやくいしばりは顎に非常に大きな負担をかけます。

① 本来人間の上下の歯が接触するのは、物を噛むときと飲み込むときだけだということを覚えておいてください。
② もし、かみしめやくいしばり、歯ぎしり等をしていると、あなたの噛むための筋肉や関節は破壊され続け、治療しても効果が現れにくく、なかなか治らないという結果になってしまいます。このような癖がありましたら、ただちにやめるよう注意してください。
③ かみしめや歯ぎしりの習慣をやめるもっとも効果的な方法は、唇を閉じて歯を離すことを覚えることです。
「唇を閉じて、上下の歯を離し、顔の筋肉の力を抜く」ことを意識して努力してください。このことを1日に何度も練習してください。

この簡単な方法で顎の関節は非常にリラックスし、緊張やこわばりから解放されます。そして筋の緊張によって引き起こされていた、顎や首のまわりの痛みは少しずつ引いていきます。

「歯ぎしり」・「噛みしめ」について

「歯ぎしり」「噛みしめ」は決して特異なことではありません。96%の人がしているという報告さえあります。誰でもしている一種の癖と考えて良いと思います。ですから、特に問題を起こさない限り、放置しても構わないのですが、ときには、次のような問題を起こします。

1. 歯への障害:歯の磨耗、歯の破折、歯がしみる、噛むと痛いなど
2. 歯周組織への障害:歯肉炎、歯周疾患(歯周炎=歯槽膿漏)
3. 顎関節への障害:顎関節痛、開口障害、カックン音など
4. 全身への障害:顔面痛、頭痛、肩こり、腕のしびれ、腰痛など
5. その他:舌痛症、むちうち症状、倦怠感など

これらの症状のすべてが、「歯ぎしり」「噛みしめ」からくるわけではありませんが、無用な悪い癖はなくしておく方が良いと思います。
この癖は眠っているときとか、何か夢中になっているときとかに起こるので気がつきにくいし、治すのにも同じ理由でやっかいなものだと思われる方も多いと思います。

治すための補助用のマウスピースを入れる方法もありますが、道具に頼るといつまでもそれを入れていなければならないし、止めればまた、戻ってしまいます。あなたが、本気になって治す気になれば意外と簡単に治っていくものです。

では、その方法を教えします。

1 まず、日中の気がつきから始めます。

① 仕事などに夢中になっているとき、ふと気がつくとしっかり噛みしめていたり、舌を上顎に吸いつけていたりするのに気がつくと思います。そんなとき、肩を上下させ、首から上の力を思い切り抜いて、頬の力を抜き、歯をかみ合わせないようにしてから、そのまま再び仕事に向かって下さい。

② できたら、始めのうちは、口許も半開きにすると良いのですが、人前をはばかるようでしたら、唇は合わせてもよいでしょう。
               
③ 噛みしめるのをうまく気付くというのは、意外と難しいものです。そんな場合は、普段よく使う道具にマジックインクとか、カラーテープとかで目印をつけて、それを見たら思い出すようにするとよいです。主婦でしたら、水道の蛇口やまな板、包丁の柄の背とかに、事務の多い人はペンの柄とか、キーボードとかに、また、車の人はハンドルにというように。

2 日中はなんとかできているとして、問題は夜眠っているときのことです。

眠っているときのことなど、コントロールできないと思っている人が多いと思います。しかし、「明日の朝4時に起きなければいけない」と思って寝ると、不思議とその時間に目が覚めるという経験をしたことはありませんか??
眠っている間も、体内時計と「起きなければいけない」という意識が共同作業をして、正確にその時間に目が覚めるというかなりむずかしいことを私たちはできるのです。ましてや、上下の歯を合わせないようにリラックスして眠るなどという作業は「その気」になりさえすれば意外と簡単にできるものなのです。成功の秘訣はあなたがどれだけ「その気」になるかにかかっているのです。

前準備

① 枕を低くしましょう。
後頭の一番出っ張ったところより首の付け根近くに枕をするようにします。そうすると頭が上を向くので、口が開きやすくなるからです。おもに仰向けに寝る人は、バスタオルをロール状に巻いて敷布団の下に敷いてできるだけ長い枕をしなくても済む人はそうして下さい。

② 布団に入ったら何も考えないようにして下さい。
もし、どうしても考えることがあれば、もう一度、布団から出て考えて下さい。布団の中は眠るだけの所と決めて下さい。あるいは、朝目覚めてから布団のなかで考える習慣をつけるとよい考えがでてきます。

本番

① まず、思い切り噛みしめてみて下さい。1~2秒後に、フッと顎の力を全部抜いてみて下さい。わずかに口が開くと思います。その位置が理想的なリラックスした位置で、このまま一晩眠ってくれるといちばん良いのです。
次に、思い切り大きな口を開いてから、今度はガクンと脱力してみて下さい。たぶんほぼ同じ位置に顎が閉じるだろうと思います。ただし、顎の関節が痛くて開けない人は無理せず開けられる所まででよいです。

② このとき、呼吸をいっしょに合わせると良いと思います。つまり、力を入れるときに息を吸って、いったん1~2秒止めてから、脱力するときに一気にはくのです。

③ 次に、肩に思い切り力を入れて、1~2秒してから突然脱力して下さい。
このときも呼吸を合わせて下さい。同じように、胸、腹、太ももの脱力をして、最後に足の先からその日の全ての疲れとストレスを追い出してやるような気持ちで大きく息を吐き出しながら脱力します。何回もやっていると、手のひらや足の裏あたりが少し温かくなった感じがしてくるかもしれません。それを感じたら、もっともっと温かくなるのを感じて下さい。

④ 最後にもう一度、顎の力が抜けていることを確かめます。

自己暗示

呼吸に意識を傾け、吐くときに脱力するのを繰り返しながら、手足やお腹が温かくなってくるのを感じて下さい。また、吐くときに、自分がリラックスできる言葉を唱えるのも良いでしょう。たとえば「リラックス、リラックス」「いい気分、いい気分」「楽だ、楽だ」など何でもよいです。また、「噛んではいけないぞ」「歯を合わせない」「開いて寝る」などと言い聞かせます。
そして、次の朝、今あるすべての症状がなくなって、すっきり爽やかに目覚めるあなたの姿をイメージしながら眠りに入って下さい。

Q&A

Q 口を開いて寝たら喉が乾きませんか?
A、次の朝、口の中が乾いているようだったら喜んで下さい。自己暗示が、幾らかでもできていた証拠です。口が乾いたからといって何か障害があるわけではありません。自己暗示ができるようになったら、今度は、上下の歯はかみ合わせずに唇だけ合わすようにして下さい。

Q 気になって夜中に目が覚めたり、食いしばっているのに気が付いて目が覚めたりするのですが、寝不足になりませんか?
A、夜中に目が覚めるようであればやはり、喜んで下さい。自己暗示ができてきた証拠です。「歯ぎしり」「噛みしめ」はごく浅い睡眠のときにすると言われていますので、さほど睡眠不足にはなっていないと思います。

Q 自己暗示がうまくいっているかどうかの判断は?
A、自己暗示が成功している度合いによって、はじめは、噛みしめた後に目が覚めるようです。やがて、噛みしめているときに目が覚め、もっとうまくできるようになると、噛みしめようとする前に目が覚めます。ほとんどできるようになりと、翌朝目が覚めたときに、夜中じゅうしていなかったことが確信もてるようになります。

Q 「歯ぎしり」や「噛みしめ」をするのではないかと気になって、よく眠れなかったり、かえってストレスになってしまうのですが?
A、負担になるほど深刻にならないで下さい。「噛んではいけないんだぞ」などと言い聞かせないで、穏やかな顔をしている自分をイメージするようにして、リラックスして眠ることに重点を置いて下さい。

Q ぐっすり眠ってしまい、あまり変わりばえがしないのですが?
A、「絶対この癖を止めるだ」という気持ちをもっと強く持って下さい。また眠り込むときに、「絶対上下の歯を合わせてはいけないんだぞ」と強く言い聞かせてみて下さい。それでもうまくできなければ、一時的に寝るときだけ使うマウスピースを作ってさしあげます。

患者様へのアドバイス

同じ姿勢を続けない・時々休憩とってストレッチをする!!
ステッカーを使う
顎を安静にする
唇を閉じて上下の歯を離し、顔の筋肉の力を抜く!!

姿勢に注意する。
① 顎をつき出さない
② 猫背にならない
③ 腰の後方に丸めたタオルをあてがう

口を大きく開けない・固いものを噛まない・長く噛まない
1.食べ物は一口で食べきれる大きさに切って、口を大きく開けることを避けて下さい。
2.パンの皮の固い所や生野菜、肉など固い物、長く噛まなければならない食べ物は避けて下さい。
3.チューインガムを噛んではいけません

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