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歯科適応の漢方薬
はじめに
東洋医学の診断法に基づいて、一般歯科開業医が漢方薬を処方するのは難しいと思いますが歯科に限ってケースを選び処方することは可能と思います
Ⅰ.個々の薬剤の作用(歯科に限る)
生薬自体の薬効は幅広いのですが まずは歯科にかんする薬効について分類してみました。
胃腸に良い バランスをとる
黄耆(おうぎ)
人参(にんじん・)
甘草(かんぞう・炎症や痛みを抑える)
胃腸に良い
桂皮(けいひ・シナモン・体を温める)
大棗(たいそう・ナツメ)、粳米(こうべい・玄米)
乾姜(乾燥しょうが) 生姜(しょうが)
厚朴(こうぼく・腹のガスをとる) 木香
枳実(きじつ・みかん 炎症や痛みを抑える) 陳皮(ちんぴ・みかんの皮)
紫蘇葉(しそよう・しその葉 気分をよくする)
丁子 (ちょうじ・クローブ)
咳止め
半夏(はんげ・イモ 悪心・こみ上げる咳)
麦門冬(ばくもんとう・のどを潤す)
痛みをとる
細辛(さいしん・歯痛を止める)
升麻(しょうま・歯茎の腫れ) 桔梗(ききょう・体内の膿をだす)
防風(ぼうふう・止痛)
附子(ぶし・とりかぶと(猛毒)を解毒したもの 体を温め 痛みをとる )
麻黄(まおう・エフェドリン作用 アドレナリンと同様 気管支拡張・心拍増加)
葛根(かっこん・くずの根 肌肉のこわばり 痙攣を抑える)
水分調節・利尿
沢瀉(たくしゃ・いも) 茯苓(ぶくりょう・きのこ) 猪苓(ちょれい・きのこ)
蒼朮(そうじゅつ・おけら) 白朮(びゃくじゅつ・おけら) 川骨(せんこつ・すいれん)
血液
補血＝貧血を改善する
当帰（とうき）
芍薬(しゃくやく 白芍 赤芍 補血 血流をよくする 体を温める 鎮痛・鎮痙)
熟地黄(じゅくじおう・補血)
血流を良くする
川芎(せんきゅう)
固まった血を分解する
桃仁(とうにん) 牡丹皮(ぼたんんび) 樸樕(ぼくそく)
熱を下げる
石膏(せっこう) 知母(ちも) 強い解熱作用)
黄芩(おうごん) 黄連(おうれん) 黄柏(おうばく)
柴胡(さいこ・熱や炎症をさます)
竜胆(りゅうたん・りんどう 解毒解熱)
茵陳蒿(いんちんこう・炎症を抑える)
山梔子(さんしし・くちなし・利尿 熱を排出)
大黄(だいおう・下剤・大便で熱を排出)
薄荷(ハッカ ミントの一種)
鎮静
釣藤鈎(ちょうとうこう・鎮静・止痙)
竜眼肉(りゅうがんにく・補血・鎮静)
酸棗仁(さんそうにん・なつめ 鎮静)
遠志(おんじ 鎮静)
Ⅱ.歯科保健適応の漢方薬
以下の症状に保険の適応があります。適応外でも摘要欄にそれなりの理由が記載できれば可能と思われます
加味逍遥散(かみしょうようさん)
抑肝散(よくかんさん)
加味帰脾湯(かみきひとう)
1口腔乾燥症
(内容)
| 販売名 | ツムラ五苓散エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2.0gを含有する。 日局タクシャ 4.0g 日局ソウジュツ 3.0g 日局チョレイ 3.0g 日局ブクリョウ 3.0g 日局ケイヒ 1.5g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(水分調整をする・利尿)沢瀉 (4.0ｇ) 茯苓(3.0ｇ)猪苓(3.0ｇ) 蒼朮(3.0ｇ)
桂皮(温め利尿) (1.5ｇ)
すべて水分調整剤です
(朮+茯苓) の組み合わせによって 過剰な水分を血中に吸収して利尿
(猪苓+沢瀉) の組み合わせによって 血中の水分を尿として排出
(適応)
口渇で水分過多（浮腫み 下痢 嘔吐感 などがある）を疑うケース
水分過多について舌診参照
(処方) ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)
1日7.5ｇを分3 食前または食間(空腹時)
(副作用)
桂枝＝シナモン アレルギィーに注意
(内容)
| 販売名 | ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品9.0g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス5.0gを含有する。 日局セッコウ 15.0g 日局コウベイ 8.0g 日局チモ 5.0g 日局カンゾウ 2.0g 日局ニンジン 1.5g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル |
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる)甘草+人参
(胃腸に良い) 粳米
(石膏+知母) の組み合わせによって強い消炎解熱作用
知母
石膏
強い消炎解熱作用があります
(適応) 口渇 ほてりがあり のどの渇きがあるもの
消炎解熱について舌診参照
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意 グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
人参
血圧上昇 薬疹 血液凝固亢進の可能性
モノアミン酸化酵素阻害剤で作用増強
(内容)
| 販売名 | ツムラ麦門冬湯エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品9.0g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス6.0gを含有する。 日局バクモンドウ 10.0g 日局コウベイ 5.0g 日局ハンゲ 5.0g 日局タイソウ 3.0g 日局カンゾウ 2.0g 日局ニンジン 2.0g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル |
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草 人参
(胃腸に良い) 粳米 大棗
(咳止め) 半夏(こみあげるような咳 悪心)
麦門冬(のどを潤す)
のどを潤す作用があります
(適応)
口渇 口が乾くことに加え、体が火照るように感じる人で向いています
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意 グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
血圧上昇 薬疹 血液凝固亢進の可能性
モノアミン酸化酵素阻害剤で作用増強
2.口内炎
茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)
(内容)
販売名ツムラ茵蔯蒿湯エキス顆粒（医療用）
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 1.5gを含有する。
日局インチンコウ 4.0g
日局サンシシ 3.0g
日局ダイオウ 1.0g
添加剤日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 通常、成人1日7.5gを2～3回に分割し、食前又は食間に経口投与 する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する
(役割)
(熱を下げる)茵蔯蒿(炎症を抑える)
(熱を下げる)山梔子(利尿で熱を排出)
(熱を下げる)大黄(大便で熱を排出)
体内の熱と水の滞りを取り去ることで皮膚に現れた病変を抑えます
(適応)
口渇があり 尿少なく 便秘がちな人に適応
(副作用)
肝機能障害 黄疸 授乳中の妊婦には注意(大黄)
腸間膜動脈硬化症
腸間膜静脈硬化症(腹部疼痛) 山梔子含有成分の長期投与で発生しやすい
大黄
主成分がセンノシドで代謝されてアントラキノンになる。子宮筋収縮、骨盤内臓器の充血作用で早流産しやすく 妊婦には注意
ブルゼニド、アローゼンなど西洋薬センナ製剤があるため重複注意
授乳で子供に下痢が起こることがある
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
(内容)
販売名ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒（医療用） 7.5g。
日局ハンゲ 5.0g
日局オウゴン 2.5g
日局カンキョウ 2.5g
日局カンゾウ 2.5g
日局タイソウ 2.5g
日局ニンジン 2.5g
日局オウレン 1.0g
添加剤日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、 ショ糖脂肪酸エステ
通常、成人1日7.5gを2～3回に分割し、食前又は食間に経口投与 する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草 人参
(胃腸に良い) 大棗 乾姜
(咳止め) 半夏(悪心・こみ上げる咳)
(熱を下げる) 黄芩 黄連
(黄芩+黄連)の組み合わせによって中等度の消炎解熱効果
胃腸の働きを良くする漢方薬です
その他の作用
止嘔 制吐作用
鎮静作用(易怒 興奮を抑える)
消炎止血作用(動脈性出血)
降圧作用(若年性高血圧症)
(適応)
食欲不振や胃もたれ、吐き気や嘔吐があるとき、おなかがごろごろいって下痢気味な人に適応
(副作用)
アルドステロン症 低カリウム血症 ミオパチー には禁忌
間質性肺炎 肝機能障害 黄疸
黄連 妊婦への投与は慎重に 受精卵成長阻害の報告あり
黄芩
間質性肺炎 呼吸器症状のチェック
肝機能障害 採血検査が必要
長期投与時は含嗽も考える
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
人参
血圧上昇 薬疹 血液凝固亢進の可能性
モノアミン酸化酵素阻害剤で作用増強
黄連湯(おうれんとう)
| 販売名 | ツムラ黄連湯エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.0gを含有する。 日局ハンゲ 6.0g 日局オウレン 3.0g 日局カンキョウ 3.0g 日局カンゾウ 3.0g 日局ケイヒ 3.0g 日局タイソウ 3.0g 日局ニンジン 3.0g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草 人参
(胃腸に良い)桂皮 乾姜 大棗 半夏
(熱を下げる)黄連
胃腸の働きを良くします
(適応)
胃部の停滞感や重圧感 食欲不振のあるもの
吐き気があってお腹がゴロゴロ鳴る下痢ぎみ
(副作用)
アルドステロン症 低カリウム血症 ミオパチー には禁忌
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
人参
血圧上昇 薬疹 血液凝固亢進の可能性
モノアミン酸化酵素阻害剤で作用増強
桂枝＝シナモン アレルギィー(
黄連 妊婦への投与は慎重に 受精卵成長阻害の報告あり
平胃散(へいいさん)
(内容)
| 販売名 | ツムラ平胃散エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.25gを含有する。 日局ソウジュツ 4.0g 日局コウボク 3.0g 日局チンピ 3.0g 日局タイソウ 2.0g 日局カンゾウ 1.0g 日局ショウキョウ 0.5g |
| 添加剤 | 日局軽質無水ケイ酸、日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草
(胃腸に良い)生姜 大棗 厚朴 陳皮
(水分調整・利尿)蒼朮
胃腸の働きを整える漢方薬です
(適応)
消化不良による、慢性・急性の胃炎のあるもの
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
3.歯周炎
排膿散及湯( はいのうさんきゅうとう)
(内容)
| 販売名 | ツムラ排膿散及湯エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.5gを含有する。 日局キキョウ 4.0g 日局カンゾウ 3.0g 日局キジツ 3.0g 日局シャクヤク 3.0g 日局タイソウ 3.0g 日局ショウキョウ 1.0g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草
(胃腸に良い) 生姜 大棗 枳実
(血液)(補血＝貧血を改善する) 芍薬
(痛みをとる 膿の排出) 桔梗
(枳実+芍薬)の組み合わせによって消化管の機能改善・去痰排膿作用
炎症や痛みを抑え 膿を排出します
(適応)
歯肉炎や歯槽膿漏
(副作用)
アルドステロン症 低カリウム血症 ミオパチー には禁忌
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
枳実
主成分のシネフリンがアンフェタミン誘導体で 構造、作用がエフェドリン(麻黄)に似るため注意が必要
桔梗
プラチコディンに溶血作用あり 出血部がある際は注意
4.歯痛・抜歯後疼痛
立効散 (りっこうさん )
(内容)
| 販売名 | ツムラ立効散エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.5gを含有する。 日局サイシン 2.0g 日局ショウマ 2.0g 日局ボウフウ 2.0g 日局カンゾウ 1.5g 日局リュウタン 1.0g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、アメ粉 |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草
(痛みをとる)細辛(歯痛をとる)
(痛みをとる)升麻(歯茎の腫れをとる)
(痛みをとる)防風
(熱を下げる)竜胆
(適応)
歯の痛み
アセトアミノフェンや他のNsaidsが使用できないときに使えます
(副作用)
偽アルドステロン症 低カリウム血症 ミオパチー
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
5.筋肉関節痛
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
(内容)
販売名ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒（医療用）
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 2.5gを含有する。
日局カンゾウ 6.0g
日局シャクヤク 6.0g 添加剤
日局ステアリン酸マグネシウム、
日局乳糖水和物
通常、成人1日7.5gを2～3回に分割し、食前又は食間に経口投与 する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草
(血液 補血 鎮痛・鎮痙作用) 芍薬
(適応)
筋の緊張を伴う 顎関節症
骨格筋の緊張をゆるめて痛みを和らげます
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
6.神経痛
葛根湯 (かっこんとう)
販売名ツムラ葛根湯エキス顆粒（医療用）
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 3.75gを含有する。
日局カッコン 4.0g
日局タイソウ 3.0g
日局マオウ 3.0g
日局カンゾウ 2.0g
日局ケイヒ 2.0g
日局シャクヤク 2.0g
日局ショウキョウ 2.0g 添加剤
日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、 ショ糖脂肪酸エステル
通常、成人1日7.5gを2～3回に分割し、食前又は食間に経口投与 する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草
(胃腸に良い) 桂皮 生姜 大棗
(血液・補血 鎮痛・鎮痙) 芍薬
(痛みをとる) 麻黄
(痛みをとる) 葛根
体の熱や腫れ、痛みを発散させて治します
(適応)
神経痛(上半身) 肩こり・筋肉痛の改善 神経痛に保険適応です
顎関節症に有効と思われますが その病名での保険適応はありません
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
桂枝＝シナモン アレルギィーに注意
桂枝加苓朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
(内容)
組成 販売名ツムラ桂枝加朮附湯エキス顆粒（医療用）
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 3.75gを含有する。
日局ケイヒ 4.0g
日局シャクヤク 4.0g
日局ソウジュツ 4.0g
日局タイソウ 4.0g
日局カンゾウ 2.0g
日局ショウキョウ 1.0g
日局ブシ末 0.5g
添加剤 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物
通常、成人1日7.5gを2～3回に分割し、食前又は食間に経口投与 する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草
(胃腸に良い) 桂皮(温める) 大棗 生姜
(血液・補血 鎮痛・鎮痙) 芍薬
(水分調整・利尿) 蒼朮
(痛みをとる) 附子(温める)
体を温めて、冷えと痛みを取り除きます。冷えが強く、冷えることで悪化する関節痛や神経痛に使用します
(適応)
神経痛 関節痛に適応があります
顎関節症に適応があるかわかりません
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
桂枝＝シナモン アレルギィーに注意
附子
解毒してありますが まれに 神経毒 動悸 のぼせ 舌のしびれ 悪心
7.長引く痛み(保険適応外)
(内容)
| 販売名 | ツムラ桂枝茯苓丸エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.75gを含有する。 日局ケイヒ 3.0g 日局シャクヤク 3.0g 日局トウニン 3.0g 日局ブクリョウ 3.0g 日局ボタンピ 3.0g |
| 添加剤 | 日局軽質無水ケイ酸、日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い) 桂枝
(水分調整・利尿) 茯苓
(血液・補血) 赤芍
(血液・固まった血を分解する)桃仁 牡丹皮
血の流れを良くし 体を温めます
(適応)
長引く痛み
(副作用)
桂枝＝シナモン アレルギィーに注意
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
| 販売名 | ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.0gを含有する。 日局シャクヤク 4.0g 日局ソウジュツ 4.0g 日局タクシャ 4.0g 日局ブクリョウ 4.0g 日局センキュウ 3.0g 日局トウキ 3.0g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(水分調整・利尿) 沢瀉 茯苓 蒼朮
(血液・補血) 当帰 芍薬(鎮痛・鎮痙・体を温める)
(血液・血流を良くする)川芎
血行を良くして 体を温めます 利尿薬も入っています
(適応)
長引く痛み
8.病後の体力増強
補中益気湯（ほちゅうえっきとう）(保険適応)
(内容)
| 販売名 | ツムラ補中益気湯エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス5.0gを含有する。 日局オウギ 4.0g 日局ソウジュツ 4.0g 日局ニンジン 4.0g 日局トウキ 3.0g 日局サイコ 2.0g 日局タイソウ 2.0g 日局チンピ 2.0g 日局カンゾウ 1.5g 日局ショウマ 1.0g 日局ショウキョウ 0.5g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
添加剤 : ステアリン酸マグネシウム
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草 黄耆 人参
(胃腸に良い) 生姜 大棗 陳皮
(痛みをとる のどの痛みや歯茎の腫れをとる)升麻
(水分調整・利尿) 蒼朮
(血液・補血) 当帰
(熱を下げる) 柴胡
体によさそうな薬がまんべんなく入っています
(適応)
胃腸の働きを良くして 体力を回復させます
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
人参 血圧上昇 薬疹 血液凝固亢進の可能性 モノアミン酸化酵素阻害剤で作用増強
9.口腔顔面領域の疾患に関与する病後の体力低下
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
(内容)
| 販売名 | ツムラ十全大補湯エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス5.0gを含有する。 日局オウギ 3.0g 日局ケイヒ 3.0g 日局ジオウ 3.0g 日局シャクヤク 3.0g 日局センキュウ 3.0g 日局ソウジュツ 3.0g 日局トウキ 3.0g 日局ニンジン 3.0g 日局ブクリョウ 3.0g 日局カンゾウ 1.5g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 人参 甘草 黄耆
(胃腸に良い) 桂皮
(水分調整・利尿) 茯苓 白朮
(血液・補血) 当帰 白芍 熟地黄
(血液・血流を良くする) 川芎
消化器、呼吸器、血液を総合的に補強します
(適応)
病後の体力回復
体に良さそうな薬がまんべんなく入っています
(副作用)
人参
血圧上昇 薬疹 血液凝固亢進の可能性
モノアミン酸化酵素阻害剤で作用増強
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
桂枝＝シナモン アレルギィーに注意
10.外科治療後の疼痛や治癒を早める(適応外)
治打撲一方（ちだぼくいっぽう）
(内容)
| 販売名 | ツムラ治打撲一方エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2.25gを含有する。 日局ケイヒ 3.0g 日局センキュウ 3.0g 日局センコツ 3.0g 日局ボクソク 3.0g 日局カンゾウ 1.5g 日局ダイオウ 1.0g 日局チョウジ 1.0g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草
(胃腸に良い) 桂枝
(胃腸に良い) 丁子
(水分調整・利尿) 川骨
(血液・血流を良くする) 川芎
(血液・固まった血を分解する) 樸樕
(熱を下げる) 大黄
(適応)
基本的に外傷性とうっ血や打撲による痛みや腫れを改善させる処方です 初期よりもやや日数が経過して疼痛が残る場合に適応します
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
桂枝＝シナモン アレルギィーに注意
大黄
主成分がセンノシドで代謝されてアントラキノンになる。子宮筋収縮、骨盤内臓器の充血作用で早流産しやすく 妊婦には注意
ブルゼニド、アローゼンなど西洋薬センナ製剤があるため重複注意
授乳で子供に下痢が起こることがある
11.ストレス(保険適応外)
① 心因性舌痛症や口腔心身症 口腔領域の不定愁訴(保険適応外)
加味逍遥散(かみしょうようさん)
(内容)
組成 販売名ツムラ加味逍遙散エキス顆粒（医療用）
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 4.0gを含有する。
日局サイコ 3.0g
日局シャクヤク 3.0g
日局ソウジュツ 3.0g
日局トウキ 3.0g
日局ブクリョウ 3.0g
日局サンシシ 2.0g
日局ボタンピ 2.0g
日局カンゾウ 1.5g
日局ショウキョウ 1.0g
日局ハッカ 1.0g
添加剤日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物
通常、成人1日7.5gを2～3回に分割し、食前又は食間に経口投与 する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草
(胃腸に良い) 生姜
(水分調整・利尿) 茯苓 蒼朮
(血液・補血) 芍薬 当帰
(血液・固まった血を分解する) 牡丹皮
(熱を下げる) 柴胡 山梔子
(熱を下げる) 薄荷
(適応)
心因性舌痛症 口腔心身症 不定愁訴
体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状があるもの
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
山梔子
腸間膜静脈硬化症(腹部疼痛) 山梔子含有成分の長期投与で発生しやすい
② 心因性舌痛症や歯ぎしり・口腔心身症(保険適応外)
抑肝散(よくかんさん)
(内容)
| 販売名 | ツムラ抑肝散エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.25gを含有する。 日局ソウジュツ 4.0g 日局ブクリョウ 4.0g 日局センキュウ 3.0g 日局チョウトウコウ 3.0g 日局トウキ 3.0g 日局サイコ 2.0g 日局カンゾウ 1.5g |
| 添加剤 | 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 甘草
(水分調整・利尿) 茯苓 蒼朮
(血液・補血) 当帰
(血液・血の流れを良くする) 川芎
(鎮静) 釣藤鈎
(適応)
心因性舌痛症 歯ぎしり 口腔心身症
体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるもの
(副作用)
柴胡
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
③ その他
加味帰脾湯(かみきひとう)(保険適応外)
(内容)
| 販売名 | ツムラ加味帰脾湯エキス顆粒（医療用） |
| 有効成分 | 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス5.0gを含有する。 日局オウギ 3.0g 日局サイコ 3.0g 日局サンソウニン 3.0g 日局ソウジュツ 3.0g 日局ニンジン 3.0g 日局ブクリョウ 3.0g 日局リュウガンニク 3.0g 日局オンジ 2.0g 日局サンシシ 2.0g 日局タイソウ 2.0g 日局トウキ 2.0g 日局カンゾウ 1.0g 日局ショウキョウ 1.0g 日局モッコウ 1.0g |
| 添加剤 | 日局軽質無水ケイ酸、日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物 |
通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(役割)
(胃腸に良い バランスをとる) 黄耆3 甘草1 人参3
(胃腸に良い) 大棗2 生姜1 木香1
(水分調整・利尿) 白朮3 茯苓3
(血液・補血) 当帰2
(鎮静) 竜眼肉3 酸棗仁3 遠志2
(熱を下げる) 柴胡
(熱を下げる) 山梔子
(適応)
全身倦怠感 ・易労・貧血・不眠・イライラ・健忘・のぼせ・ほてり・胸苦しさ
加味帰脾湯は、消化機能を高める滋養強壮作用と、不安や緊張を落ち着かせる抗不安・精神安定作用が中心です 体力が落ち、顔色が悪いような人で、眠れないもの
(副作用)
甘草
偽アルドステロン症(血清Kの低下・Naの上昇・ミオパチー・横紋筋融解)
血圧上昇
腎性高血圧ではアルドステロン高値なことがあるので注意
グリチロン配合錠 SNMCなども甘草製薬であり 重複使用に注意
グリチロン®１錠にグリチルリチン酸25ｍｇ含有
人成人では無作用量120ｍｇ/日 最小中毒量100ｍｇ/日を推奨
人参
血圧上昇 薬疹 血液凝固亢進の可能性
モノアミン酸化酵素阻害剤で作用増強
山梔子
腸間膜静脈硬化症(腹部疼痛) 山梔子含有成分の長期投与で発生しやすい
12.口腔内異常感症(適応外)
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
(内容)
販売名ツムラ半夏厚朴湯エキス顆粒（医療用）
有効成分本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス 2.5gを含有する。
日局ハンゲ 6.0g
日局ブクリョウ 5.0g
日局コウボク 3.0g 日局ソヨウ 2.0g
日局ショウキョウ 1.0g
添加剤日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、 ショ糖脂肪酸エステル
通常、成人1日7.5gを2～3回に分割し、食前又は食間に経口投与 する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する
(役割)
(胃腸に良い)生姜 厚朴 半夏(こみ上げる咳・悪心)
(胃腸に良い)紫蘇葉
(水分調節・利尿)茯苓
(適応)
口腔内異常感
Ⅲ.東洋医学の診断法
東洋医学の診断法の概略
東洋医学は理論が西洋医学と異なるだけではなく、診断するにはかなりの経験が必要です 実際に行おうと思うとかなり高度で難しい内容です
1.四診によって患者様の状態を見る
① 望診
患者様の顔面や舌、姿勢、動作など身体の表面に現れた変化から、身体内部の状態を見分ける
かなり難しいないようですが 舌診は比較的わかりやすい内容なので、記載しました
② 聞診
患者様の状態を「聞く」と同時に患者様の体臭、分泌物などのにおいを嗅ぎます。呼吸・声音を聞きます
③ 問診
疾病の発生時期、原因、経過、既往歴、痛みの部位や生活習、飲食の嗜好などをたずねます
寒熱・汗 痛み
④ 切診
脈診と腹診があります
舌診
舌の色
・淡紅舌→理想的。冷えにも熱にも偏っていない
・淡白舌→冷えている(陽虚)、血が少ない(血虚)
・紅舌→熱がこもっている
・暗紫舌、暗紅舌→血のめぐりが悪い(瘀血)
舌苔(苔は水の停滞)
・薄白苔→理想的。薄く白い苔。
・白苔→水がたまっている
・黄苔→水と熱が合わさっている
・黒苔→不調の要因の何かしらが極まっている
・微黄膩苔、灰色の苔→汚れ、濁がたまっている
苔の形状
・粒粒した顆粒苔→気滞
・べっとり苔→気虚
・苔がない、裂紋→うるおい不足(陰虚)
・苔があるところ、ないところがある(地図状舌)→局所的に身体の潤いが不足しているところがある
・苔がある、裂紋→水の停滞と五臓の乾きのどちらもある、痰湿などの邪が内陥している
瘀点、舌下静脈怒張
・瘀点、舌下静脈怒張→血のめぐりが悪い(瘀血)
舌の張り感、固さ
・舌がぼってり→気が不足し、締まりがない(気虚)
・舌が固くなっている→気滞や邪によってものが詰まっている
ゆがんだ舌
・歪斜舌→筋肉のこわばりが舌にも影響している
舌の部位
・舌先→心・肺。赤いときは心か肺に熱がこもっている
・中央→脾胃。割れているときは脾陰が弱っている。
・舌縁→肝。苔がないときは肝血不足
・舌の奥→腎。腐苔がたまることがある
2.東洋医学的理論を組み合わせる
① 陰陽論
あらゆるものに陰陽があり、人体にも陰陽があり そのバランスが崩れた時病気になると考えます
② 五行説
自然界に存在するものを、基本物質である「木・火・土・金・水」の５元素に結び付けて分類したものが五行論です
木→肝・火→心・土→脾・金→肺・水→腎
③ 蔵象学説
1.気・血・津液(しんえき)とは
生命活動を維持する物質 ３者が相互に関係し 協調しあっています
気 (生命の根幹をなすエネルギィー源)
元気・宗気・営気・衛気 などありそれぞれ働きが違います
気の変調により 気虚・気滞・気逆 などが生じます
血 (水穀の精微から化生した赤い液体)
血は滋養作用、寧静作用を持ち 血と気は相互に関連しており 血の不調は気の不調を伴うことが多い。
血の不調によって 血虚・血瘀・血熱などが生じます
津液(血以外のすべての液体)
津液は身体を潤す水分で、津と液に分かれます。汗や鼻水など五液を生成し、体温調節なども関わります
津液の不調によって 内燥・内湿・湿熱などが生じます
2.五臓(肝・心・脾・肺・腎)と六腑(胆・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦)その役割・作用について
五臓は診断の際、重要です。下記のように西洋医学とは役割が違っています
-
- ①肝 疏泄作用(全身の気を調節する機能)と蔵血作用(血液量の調整)
-
- ②心 血を全身に巡らせる作用と精神をコントロールする作用
-
- ③脾 運化作用(食物の運搬消化) 統血作用(血が脈外にあふれるのを防ぐ作用) 昇清作用
-
- ④肺 宣発作用(気や津液、栄養分、衛気などを全身に拡散させる)
粛降作用(気や津液を下におろす)
肺は気をつかさどり(主気)通調水道をつかさどる
3.五臓が関連するもの
4.五臓は相互に影響しあう
例えば 下記のように肝気が鬱結すると
心に作用し→イライラ・動悸・不眠がおこります 心肝火旺症
脾に作用し→食欲不振・下痢・腹痛がおこります 肝気犯胃
肝経に作用し→胸脇苦悶・張痛がおこります 気鬱化火
3.弁証 証(診断結果)をもとに弁証する(診断)
弁証方法はいろいろありますが まず八綱弁証(はっこうべんしょう)で証をたてます(診断)
表裏 寒熱 虚実 陰陽 ４つの組み合わせによって 診断します
陰証と陽証は八綱弁証を総括する項目です
陰の属性をもつ証候が陰証で裏証・虚症・寒証がこれにあたります
陽の属性をもつ証候が陽証で表証・実症・熱証がこれにあたります
虚実
虚症と実証は正邪の状況を反映します 正気が不足していれば虚証が、邪気が盛んであれば実証が現れます
陰証と陽証
陰証の人の特徴
顔色が暗淡としている 語勢が弱い 無気力 食欲不振 脈が遅い 下痢気味 四肢の冷えなどがあります。
陰証の人には虚症・寒証・虚寒証などの症候がみられます。この場合は温め、不足している陽を補うような治療が施されます
陽証の人の特徴
イライラしている 呼吸があらい 語気が荒い 熱っぽい 胸苦しさ 脈が速い 便秘気味などがあります
陽証の人には熱症・実証などの症候がみられます。この場合は実熱を清泄し、過剰な陽を抑えるような治療が施されます
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